
π(パイ)電子
私たちの身の回りには、繊維、プラスチック、医薬品、液晶材料、半導体など、有機化合物からできたものが多数ありますが、有機化合物の性質や機能の発現において重要な役割を果たしているのは「π(パイ)電子」と呼ばれる電子です。π 電子の挙動を解明し、制御することにより、発色性、発光性、電導性、磁性、センサーなど様々な機能を持つ有機化合物の創製が可能となります。
生活に役立つ物質の開発
我々の研究室では、特に「ヘテロ環」という骨格をもった新たな構造の有機 π 電子系化合物を合成し、その構造と発光特性などの性質の関係を明らかにするといった、どちらかと言うと基礎的な研究を行っています。このような研究の積み重ねが、将来我々の生活で役に立つ物質の開発につながります。未知の有機 π 電子系化合物はたくさんあり、無限の可能性を秘めていると言えます。
有機化学の魅力は、今までに存在しない化合物をデザインして、いろいろな化学反応を駆使することにより、それを実際に自分で合成できる点です。実際の合成ではいろいろな困難を伴いますが、苦労して目的物ができた時の喜びは何とも言えませんし、また苦労して得た経験は必ず自分自身の貴重な財産となります。

研究キーワード | 構造有機化学,機能物質化学,π共役系,光物性,超分子化学 |
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研究分野 | 有機化学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | カルバゾール,チオフェン,フェノチアジン等の複素芳香環や縮合多環芳香族を基盤とし,特異な構造を有する新たな有機π共役系化合物を合成し,その物性(電子的性質,光物理的性質,電気化学的性質,分子認識挙動等)を評価し,構造と物性の相関について研究している。同時に,新たな性質・機能を発現する有機化合物の分子設計と開発に取り組んでいる。このような研究の蓄積により,将来的に新たな光機能性材料や電子材料等の創製に展開させる。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 機能性有機化合物の分子設計・合成,有機化合物の構造決定・物性評価 |
主要な所属学会 | 日本化学会,アメリカ化学会,有機合成化学協会,基礎有機化学会,有機π電子系学会 |
論文 |
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受賞歴 |
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