.jpg)

遺伝物質であるDNAは、紫外線や活性酸素などさまざまな原因によって傷つけられています。「DNAの傷」は一種類ではなく,DNAの構成単位であるヌクレオチドの塩基が取れたり,DNAが切れたりと種類がありますが,どの傷もそのまま放置してしまうとタンパク質を作れなくなったり,遺伝情報が変わったり,細胞死や病気の原因になります。「DNAの傷」は細胞にとって脅威ですが,実はがん治療に利用されています。すなわち放射線や一部の抗がん剤は、DNAに傷をつくりだすことで,がん細胞を殺します。その際,どのような「DNAの傷」が作られるかが,がん治療では大切になってきます。
植物に含まれる天然抗酸化物質は,抗酸化作用だけでなく抗がん作用をもつことがわかってきました。しかし,どのようにがん細胞を死滅させているかはあまりわかっていないため,すぐに抗がん剤として使うことはできません。そこで,培養細胞を使って,天然抗酸化物質で処理したときの細胞内のDNAの状態を調べ,天然抗酸化物質にDNAを傷つける作用があるか,また,どのような傷ができているかを調べています。
(小).jpg)
(小).jpg)
(小).jpg)
研究キーワード | DNA損傷,DNA修復,ゲノム編集,抗酸化物質,抗がん剤 |
---|---|
研究分野 | 分子生物学細胞生物学環境解析評価 |
主な研究テーマ |
|
研究概要 | 植物に含まれる天然抗酸化物質は,抗酸化作用のみならずさまざまな生物活性を有している。その生物活性の一つに抗がん作用があることから,天然抗酸化物質の抗がん剤としての利用が期待されている。しかし,抗がん作用のメカニズムは十分に明らかとなっていない。そこで,代表的な抗がん作用であるDNA損傷に着目し,天然抗酸化物質によるDNA損傷誘発能の評価をする系を構築した。この評価系によりDNA損傷誘発能を有することが示唆された天然抗酸化物質のDNA損傷誘発機構を解析している。 |
---|---|
提供できる技術 ・応用分野 | 細胞生物学に関する技術(細胞培養,薬剤感受性試験,遺伝導入,遺伝子破壊,免疫染色,フローサイトメトリーなど),分子生物学に関する技術(PCR,電気泳動,タンパク質精製,ELISAなど) |
主要な所属学会 | 日本分子生物学会,日本放射線影響学会,放射線生物研究会,日本酸化ストレス学会 |
論文 |
|