
自然数の一つ、例えば2は、特別な意味を持つ、と言われてもピンとこない人がほとんどかもしれない。それはどの自然数も所詮は1を複数回足して得られるという事実に起因する。しかし掛け算についても同様のことを考えると、そう単純でない事に気付く。実際、掛け算において前述した1の様な役割を果たすものは素数 2,3,5,7,… であり、これらは無数に存在する。整数とその近代化を扱う整数論の目的は、和と積の間に潜む法則を発見し解き明かすことといえる。私が興味を持っているのは同じ自然数を繰り返し掛けて得られる累乗数 1,4,8,9,16,… である。特にそれらのうちの二つの和が再び累乗数となる現象がいつ起こりうるのかを解明したいと考えている。この問題は古代から多くの数学者の興味を引いてきたもので、その発生源は、誰もが中学校で学ぶ三平方の定理の学習にも現れる 3^2+4^2=5^2 である。この様な平方数間の式は他にもあるだろうか?実はいくらでも多くの例を見つけることが出来る。さて次の問題として、前述の「平方数」を「n乗数」に置き換えてみる。これは有名な数学者フェルマーによって提出された問題で、多くの人の努力によって既に解かれている。では次は、と考えていくと最終的にはどこに辿り着くだろうか?それは式 a^p+b^q=c^r を満たす自然数 a,b,c,p,q,r を全て求めることとなる。これが前述した私の解決したい研究テーマである。
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研究キーワード | 不定方程式論,二次体論,ディオファントス近似論,楕円曲線論 |
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研究分野 | 代数学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 研究テーマは様々な方程式の整数解を扱う不定方程式論である。特に有名なフェルマーの最終定理で扱われた様な累乗数に関連する方程式を主な対象とする。より具体的には「二つの累乗数の和が再び累乗数になる現象を完全に記述する」というフェルマーの最終定理の一つの一般化問題に興味を持っている。この問題を解決する為に,ピタゴラス数から定まる三項指数型方程式,多項式と指数関数で表現される方程式,そしてより一般の不定方程式の解構造を記述する理論の創生を目指し研究を行っている。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 多項の多項式型不定方程式,多項式と指数関数で表現される不定方程式,ディオファントスの組に付随する連立ペル方程式の研究 |
主要な所属学会 | 日本数学会 |
論文 |
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