電気インピーダンス・トモグラフィの計測システム
電気抵抗分布の3次元再構成結果

計測技術の開発
 医療診断では、体の内部の情報を体を傷つけることなく画像化する様々な計測技術が用いられています。例えばX線CT(計算機断層撮像法)はその代表的なものの一つです。これらの計測技術では、直接には見えない画像を、間接的に得られる観測データから画像再構成アルゴリズムを用いて計算することにより、見える化を実現しています。同様な計測技術は、医療診断の他、産業界における非破壊検査や環境問題における遠隔計測など様々な分野で必要とされ、目的や用途に応じた計測技術の開発が望まれています。
 私たちの研究室では、このような計測技術として、健康管理で重要な体脂肪分布の情報を体表で観測した電気抵抗のデータから画像化する電気インピーダンス・トモグラフィ、ガンの診断を目的としガンマ線源の分布を画像再構成アルゴリズムによって画像化する小型ガンマカメラ、燃焼火炎の断面内の温度分布を非接触で計測する赤外線CTなどを開発しています。

准教授 伊藤 直史 ITO tadashi
研究キーワード 電気インピーダンストモグラフィ,符号化開口イメージング,パターン計測,画像計測,信号処理,形状計測
研究分野 電気電子工学情報科学
主な研究テーマ
  • 電気インピーダンストモグラフィを用いた内部導電率分布の画像化システムの開発
  • 画像センサを用いた微小変位・回転・傾斜の同時計測システムの開発
  • 加速度センサを応用した運動計測,形状計測の研究
研究概要

不可視情報の「見える化」を実現する様々な計測システムの開発を行っている。医療診断の分野では,体の内部の情報を体を傷つけることなく画像化する計測技術が必要とされている。このような計測では,直接には見えない画像を,間接的に得られる観測データから画像再構成アルゴリズムを用いて計算することにより,見える化を実現することが必要となる。同様な非破壊・非侵襲の計測技術は,医療診断の他,産業界における非破壊検査や環境問題における遠隔計測など様々な分野で必要とされ,目的や用途に応じたセンシングシステムの構築と,データ処理アルゴリズムの開発を行っている。

提供できる技術 ・応用分野

符号化開口イメージングによる放射線源分布の画像化,電気インピーダンストモグラフィによる内部導電率分布計測,画像検査技術,画像センサによる位置・姿勢計測技術,運動計測,形状計測

主要な所属学会

計測自動制御学会,電気学会,応用物理学会,電子情報通信学会

論文
  • 電気インピーダンストモグラフィの原理と応用、計測と制御、Vol.56、No,11、pp.827-832 (2017)
  • 位置依存PSFをもつ撮像系からの劣化画像の復元、計測自動制御学会論文集、Vol.50、No.9、pp.662-668 (2014)
  • Successive Reconstruction Algorithm for Coded Aperture Imaging from Multi-angle Projections、Proc. of SICE Annual Conference 2013、pp.847-852 (2013)
最終更新日: