
近年、シナプスメモリスタと他の機能的バイオセンサーを組み合わせた次世代プラットフォームの開発が進んでおり、高度でエネルギー効率の高いコグニティブコンピューティングやニューロモルフィックセンサーシステムの実現が期待されています。メモリスタは、構造がシンプルで、拡張性に優れ、消費電力が低いなどの利点があり、複雑な情報処理や人工知能の認識に大きな利点を発揮します。
東京大学生産技術研究所では、厚さ20 nm のナノピラーアレイをベースにした新しい技術を開発し、単一細胞電気化学アプタマーセンサーアレイに完全に統合できる細胞捕捉構造を実現しました。
本研究では、有機半導体と二次元材料に基づく生体適合性ナノ構造シナプスメモリスタ、およびニューロモルフィックコンピューティングと互換性のあるクロスバー電子デバイス構造の開発を継続します。さらに、単一細胞アプタセンサーとシナプスメモリスタを組み合わせることで、新世代のスマート癌モニタリングプラットフォームの構築を目指しています。このバイオニックシステムは、生体分子や生体材料の検出・分析にも応用可能であり、高度知能医療の発展、がんの早期発見、さらには臨床治療の支援にも貢献すると期待されています。

研究キーワード | メモリデバイス,医用工学バイオセンサ,半導体薄膜, ナノパターン加工計測 |
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研究分野 | 物性物理学電気電子工学ナノマイクロ科学人間医工学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | シナプスメモリスタと他の機能的バイオセンサーを組み合わせたプラットフォームの開発は、医療や人工知能の分野における革新にとって重要な研究的意義を持っている。このような研究背景、研究テーマ及び研究概要は以下のとおりである。(1)メモリスタに基づく人工ニューラルネットワークの開発: 多層金属酸化物膜を作製することにより、メモリスタの情報記憶性能を向上させる; 有機半導体と二次元材料を使用して生体適合性メモリスタを開発している。 (2)有機トランジスタおよびメモリの研究: 自組織化単分子膜を用いて半導体デバイスの電気的特性を最適化し、情報記憶の信頼性と情報の高速読み書きする能力を向上させる。 (3)単一細胞電気化学アプタマーセンサーアレイの開発: フォトリソグラフィー技術と表面物理化学修飾技術を用いて、単一の癌細胞を検出できるバイオセンサーを開発している。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 半導体電子デバイスの作製と評価技術;電気化学バイオセンサの作製と計測;有機薄膜の作製; ナノパターの設計と作製;ナノ計測技術 |
論文 |
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