
「光」も「電波」も現代の生活において身近なものになっています。これらはともに電磁波で、物理の教科書でも目にされていると思います。近年両者を融合した技術が進展しつつあり、スマートフォンはそれを利用する具体例のひとつです。きれいな動画を受信するためには通信の高速化が不可欠ですが、電波だけで高速化を実現しようとすると、遠くで受信するのが難しくなります。そこで、電波の信号を光にのせて光ファイバで長距離伝送させ、必要な時に再度電波に戻しています。このような「光・無線融合通信」は、最近注目されている”IoT”(モノのインターネット)を支える基盤でもあり、光・電波(高周波信号)各々の苦手な点を補うことができる特長があります。
光・高周波各々の技術の融合により、信号の操作や処理の更なる高度化も期待できます。その一つとして、光を介する高周波信号の周波数変換の研究を進めています。媒介とする光の波長によらずに所望の動作を得る方法を提案し、その実験的実証に成功しました。これにより、通信応用が最近進んでいる周波数帯の信号を、光通信分野では一般的な周波数の信号源から生成できます。また通信応用のほかにも、光技術の利活用による高周波信号計測の高度化・広帯域化等の開拓も進めています。

研究キーワード | フォトニクス,光エレクトロニクス,光通信,光計測,光物理,応用光学 |
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研究分野 | 電気電子工学応用物理工学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 光通信や光計測に資する光信号生成・制御・変復調。(1)光波のプロパティを利活用するRF信号評価:近年更なる利活用が注目されているミリ波帯RF信号への適用を念頭に置き,電子回路の負荷を緩和する複素振幅評価手法の確立を目指している。(2)位相同期2波長信号(光2トーン信号)源:安定した周波数差および位相同期性を有する光波のペア生成における駆動周波数の低減を主に検討し,無線通信のアシストや計測用途における有用性を示す。(3)高速波長掃引光源:光波干渉計測の高速化におけるボトルネックの克服に向けた構成の提案と検討を進めている。これらの他にこれまで進めた研究は次のとおり:(4)多値光変復調(5)光波信号の高速切替(6)電子線励起蛍光薄膜の蛍光強度増大(7)量子情報処理光デバイス応用に向けた微小光共振器/光ファイバ結合系の実験と解析 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 光波の変復調と光通信・計測システム応用;光ファイバ光学・光顕微計測システムおよび周辺技術(電子回路など) |
主要な所属学会 | 応用物理学会,日本光学会,電子情報通信学会,アメリカ光学会(OSA),アメリカ電気電子学会フォトニクスソサイエティ(IEEE-PS) |
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受賞歴 |
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メディア情報 |
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