リング型円盤の空中浮揚

見えない力、磁気の力
 世の中には見えない力がたくさんあります。この中で工学的に多く応用されているのが電磁力です。代表的なものは入力されたエネルギーを機械的運動に変換する装置でアクチュエータと言われるものです。この他にも物を浮かせたり、物体内部に熱を発生させたりと磁気の力でいろいろなことが実現可能です。

電磁気を応用した様々な機器
 この電磁気を応用した様々な機器の研究開発を実施しています。例えば、超電導体と磁石を使うと、まるで物体が空中に拘束されているように安定して浮かせる事が可能です。この事を応用すると回転抵抗がほとんど無くなるので、長時間回転し続けるよう な円板が出来ます。回転している円板には運動エネルギーが貯まっていますからこれを好きなときに取り出す事が可能になります。この様な「電力貯蔵フライホイール」に関する研究や、強力な磁石を組み合わせ、より強力な磁場を発生させる事でとても大きな磁力を作り出し、他の機械要素と組み合わせて筋肉の瞬発力を再現したリニアモータを研究して跳躍するロボットや走れるロボットの開発を行っています。

准教授 村上 岩範 MURAKAMI iwanori
研究キーワード 高温超電導応用,電磁力応用,食品機械,ロボット,アクチュエータ,制振
研究分野 機械力学ロボティクス電気電子工学
主な研究テーマ
  • 高温超電導浮上磁気軸受の特性に関する研究
  • 磁気機能性流体を用いたソフトアクチュエータの開発
  • 永久磁石型アクチュエータの開発、応用、特性解析
研究概要

現在の主な研究テーマは,高温超電導体を応用した完全非接触磁気軸受の特性解析、またこの軸受を応用した電力貯蔵フライホイールに関する特殊なモータの構造の開発,駆動方法,制御,制振、解析等に関する研究を実施している。
また永久磁石の磁束の強化法やこれを用いた高推力のアクチュータ開発、磁気力を応用した非接触動力伝達機構の解析を実施している。さらにロボットに関する研究として、人の脚型のロボットに関する研究開発、蔬菜類を損傷させることなく把持、保持、搬送するための可塑性タイプのロボットハンドおよびグリッパを行っている。この一環として磁気機能性流体を用いたソフトアクチュエータの開発とその特性解析並びにロボットへの応用を実施している。またロボットの研究開発の一環として食品加工の自動化技術に関する研究も実施している。この他に、永久磁石利用型の振動モータを開発、応用に従事している。

提供できる技術 ・応用分野
  • 電磁力応用機器(モータ、アクチュエータ、電磁クラッチ、磁気軸受、磁気歯車等)の開発、解析、特性評価
  • 機械要素の電磁力による高機能化
  • 振動制御、制振、セミアクティブ振動抑制
主要な所属学会

日本機械学会,日本AEM学会,日本ばね学会

論文
  • Development of a flexible fingertip using magnetic functional fluid, Journal of Biological Physics and Chemistry, vol.20 pp.50-53, 2020
  • Study on rigidity of the superconducting magnetic bearing, Journal of Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics, vol. 59, no. 1, pp. 191-200, 2019
  • Stabilization of repulsive-type magnetic levitation system using superconducting magnetic bearing, International Journal of Applied Electromagnetics and Mechanics, vol. 52, no. 3-4, pp. 1607-1613, 2016
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