

予見制御の設計法を開発し, それをロボットの軌道制御と電力系統の需給制御へと応用しています。 予見制御とは, 対象物を様々な制約の下で思い通りに動かすために, 予見情報 (将来に関する情報) を利用する制御です。 例えば自動車の運転においては, 前方の道路状況が予見情報となり, これを用いることで効率的な操舵が可能なっています。 これと同様に一般のロボットを制御するときにも, 将来の目標軌道を事前に把握しておくことで, 急峻な環境変化に対処しより滑らかな軌道を実現できると考えられます (図 1)。 また, 電力系統においては, 電力需要に応じた発電機の制御により電力のバランスが保たれており, 近年, 太陽光・風力などの再生可能エネルギー源の導入が進められています (図 2)。 しかし, 太陽光・風力発電の出力は日射量・風速によって逐次変化するため, より需要変動に対して強固な需給制御法の確立が必要とされています。 この課題に対して, 太陽光・風力発電の予測を利用した予見制御を適用することにより, 電力品質を向上させたり, 蓄電池を過不足なく運用できるようになります。

研究キーワード | 予見制御,予測制御,MPC,サーボ系設計法, ヒューマンメカトロニクス,電力需給制御 |
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研究分野 | ロボティクス電気電子工学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 主とする研究は,予見制御と呼ばれる,未来の情報を利用して制御性能を向上させる制御法です。ロボット・電力システムへの実応用に向けた問題を定式化し,予見制御の設計法を数理的に明らかにしています。これまでに電力需給制御を対象として,天候変化を考慮した太陽光蓄電池の運用法,および電力需要予測を利用した負荷周波数制御を導いてきました。現在はヒューマンメカトロニクスを対象として,ロボット操縦インターフェイス,および車いすのパワーアシスト制御の問題に取り組んでいます。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 予見サーボ系の設計法,ロボットの軌道制御,太陽光蓄電池の運用法 |
主要な所属学会 | IEEE,計測自動制御学会,システム制御情報学会,日本機械学会 |
論文 |
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