金のナノ粒子を用いると光で分子を狭い空間に濃縮することができます。
タンパク質の結晶を成長させました。

金のナノ構造を用いて光でタンパク質を濃縮する現象を見いだし、タンパク質を結晶化する方法を研究しています。結晶化が困難なタンパク質の結晶化に取り組み、一般的な作成法として実用化研究を進めています。タンパク質の結晶のX 線回折を測定するとタンパク質分子の立体構造を明らかにすることができます。その情報から疾病の原因となるタンパクに作用する薬を設計することができます。
アミノ酸、核酸、糖などのオリゴマーは中分子医薬品として医療の現場で用いられていますが、これらの多くは結晶にならず冷凍保存して保管しなければならない問題があります。結晶化が可能になれば室温で安定に保管できます。糖研究室では難結晶性中分子医薬品の結晶化に取り組んでいます。また、オリゴマーを合成する際の、分離・精製を結晶化で行う研究も進めています。

研究室についてSTUDENT
研究室の学生
中間発表会後の打ち上げのカレーパーティー
教授 奥津 哲夫 OKUTSU tetsuo
研究キーワード 光化学,結晶成長学,タンパク質の結晶化,中分子医薬品の結晶化と精製、プラズモン共鳴
研究分野 応用物理物性物理化学無機材料化学生体分子化学
主な研究テーマ
  • 結晶成長。タンパク質や難結晶性化合物の結晶化についての研究
  • 結晶化を利用した分離・精製の研究
研究概要

光化学を基礎とした結晶成長。特にタンパク質の光誘起結晶化について研究を進めている。タンパク質の結晶化は,ゲノム創薬を実現する上で必須の研究であり,これからの発展が期待されている。本研究は光でタンパク質の結晶化を行おうとするものであり,世界で初の研究分野である。また,タンパク質だけでなく光化学反応を利用した結晶成長に関する研究も進めている。

提供できる技術 ・応用分野

創薬支援,結晶工学

主要な所属学会

日本化学会,光化学協会,日本結晶成長学会,蛋白質科学会,応用物理学会

論文
  • Crystallization of Lysozyme Induced by Gap-Mode Surface Plasmon Resonance of Gold Nanocolloids. J. Phys. Chem. C, 2024, 128, 23, 9602–9612.
  • Surface Plasmon Resonance Induced Nucleation of Protein, Advances in Organic Crystal Chemistry: Comprehensive Reviews 2025 (Springer)Chapter 3, 2025.
  • ・Protein Crystallization Induced by Strong Photons-molecules Coupling Fields Photochemical Reaction, J. Photochem. Photobiol. A: Chemistry, 221, 268-272(2011).
受賞歴
  • 日本結晶成長学会論文賞(2013)
  • 日本結晶成長学会技術賞(2016)
  • 光化学協会技術賞(2016)
  • 横山科学技術賞(2007)
メディア情報
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