

みなさんは「炭」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか?黒い?、汚い?、古い?、いえいえ、「炭」、別名「カーボン」は今も昔もこれからも役に立つ存在です。鉛筆、脱臭剤、燃料以外にも飛行機、車、電池、医療など様々なところで活躍しています。カーボンは、黒鉛やダイヤモンドだけではありません。「フラーレン」、「カーボンナノチューブ」、「グラフェン」などの最先端材料もカーボンです。
私の専門は、目に見えない非常に小さな孔(細孔)が空いたカーボン材料:活性炭です。この活性炭の細孔はナノメートル(10億分の一メートル)のサイズですが、実は電気を蓄える能力があります。私は、この活性炭を電極として組み込んだ蓄電器「キャパシタ」の研究をしています。キャパシタは電池と違い、一瞬で充電できるだけでなく、蓄えた電気エネルギーを一気に取り出すことができます。キャパシタは、今、電気自動車の電源や太陽光や風力発電からの電力を蓄えるシステムとして注目されています。私の目標は、地球や人類を救う新しいキャパシタを新しいカーボン材料で実現することです(写真は研究室で開発したキャパシタ用の新しい活性炭電極です。群馬大のロゴ入りです)。



研究キーワード | 活性炭,キャパシタ,カーボンナノ材料,蓄電池, 電気化学,エネルギー貯蔵,多孔体 |
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研究分野 | 無機材料化学エネルギー関連化学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 電気化学キャパシタは二次電池に比べて,出力密度・充放電サイクル特性に優れた蓄電デバイスです。電気化学キャパシタの一種である電気二重層キャパシタならびにリチウムイオンキャパシタは上市されていて,小型電子機器のバックアップ電源として実績があるだけでなく,ハイブリッド型電気自動車電源や再生可能エネルギーの貯蔵電源としても期待されています。これらのキャパシタの電極材料にはカーボン電極が使われていて,キャパシタの更なる高性能化のためには新規のカーボン電極の開発が重要です。本研究室では,キャパシタの高容量化と高電圧化の両面をカーボン電極の新規開発によって達成すべく研究を行っています。最近では,キャパシタの高電圧化につながる新規カーボン電極「シームレス活性炭電極」の開発に成功し,実用化に至りました。その他,リチウムイオン電池等の蓄電池用炭素材料の開発,カーボン系多孔体の開発,新規一次元炭素同素体「カルビン」に関する研究も行っています。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 電気二重層キャパシタ・リチウムイオンキャパシタ・リチウムイオン電池・ナトリウムイオン電池・リチウム空気電池・炭素系吸着材 |
主要な所属学会 | 電気化学会,炭素材料学会,日本化学会 |
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受賞歴 |
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