
私たちの体に光を当てると、光はまっすぐ進むだけでなく、体内の細胞や組織に何度もぶつかりながら、さまざまな方向へ広がっていきます。そのため、体の外で測った光から、体内のどこに異常な部分があるのかを調べることは簡単ではありません。私の研究では、光が体内を進む様子を数式で表し、光が検出器に届く時間や、最も強くなる時刻を利用して、体内にある小さな目標物の位置や数を推定しています。その際に用いるのが「漸近展開」という数学の方法です。これは、複雑な式を、影響の大きい部分から順に取り出して、分かりやすい近似式に表す方法です。たとえば、遠くから山を見ると、細かな凹凸よりも全体の形が先に見えることに似ています。こうして得られた近似式を使うことで、膨大な計算を減らしながら、目標物の位置を素早く推定できます。この研究は、体を大きく傷つけずに内部を調べる医療画像技術や、がんなどの異常を早期に発見する検査への応用が期待されています。また、直接見ることのできない地下や建物内部の調査、材料の非破壊検査などにも役立つ考え方です。
| 研究キーワード | 逆問題、光イメージング、拡散光、ピーク時間、漸近解析、パラメータ推定、推定アルゴリズム |
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| 研究分野 | 解析学応用数学 |
| 主な研究テーマ |
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| 研究概要 | 偏微分方程式で記述される拡散現象を対象に、解の漸近挙動を明らかにし、その情報を逆問題の解法へ応用する研究を行っています。漸近解析とは、複雑な解を主要な項と小さな補正項に分け、時間や空間の特定の領域における本質的な振る舞いを近似式として取り出す方法です。この方法により、直接計算が困難な観測量と未知パラメータの関係を簡潔に表し、効率的な推定アルゴリズムを構築します。主な応用として、体内を拡散する光の時間応答、とくに光強度が最大となるピーク時間を解析し、蛍光標的の位置・数・特性を外部測定データから推定する生体光イメージングの再構成法を開発しています。また、非線形拡散方程式や反応拡散系の長時間挙動を解析し、そこで得られる漸近構造をさまざまな逆問題やパラメータ推定へ展開することを目指しています。 |
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| 提供できる技術 ・応用分野 | 漸近解析による近似式の導出、逆問題・パラメータ推定アルゴリズムの開発、生体光イメージング・医療画像・非破壊検査への応用。 |
| 主要な所属学会 | 日本数学会、日本応用数理学会、大韓数学会 |
| 論文 |
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