分子の組み合わせで材料を作る

群馬大学理工学部の有機高分子化学研究室では、複数の分子を一度に結合させる「多成分連結反応」を用いて、新しい高分子材料を効率的に合成する研究を行っています。​この手法により、従来の方法では難しかった複雑な構造の高分子を短時間で合成できるようになり、医薬品や電子材料など、さまざまな分野への応用が期待されています。​また、研究室では合成した高分子の性質を詳しく調べるため、最先端の分析装置を活用して物性評価を行っています。​これにより、材料の性能を高めるための分子設計の指針を得ることができ、より高機能な材料の開発につながっています。​このような研究は、環境に優しい材料の開発や、エネルギー効率の高い製品の実現など、持続可能な社会の構築にも貢献しています。​分子レベルでのものづくりの魅力を感じられる研究分野です。

准教授 覚知 亮平 KAKUCHI ryohei
研究キーワード 精密高分子合成，高分子反応，多成分連結反応，有機触媒，バイオマス，表面修飾
研究分野 高分子有機材料
主な研究テーマ
  • 多成分連結反応による高分子合成
研究概要

多成分連結反応（MCR）とは3成分以上の反応基質が，反応により一つの生成物へと収束する反応を指す。MCRは様々な場面で活用されてきた反応形式である一方，MCRを用いた高分子合成は非常に最近になり達成された新しい合成手法です。現在は，MCRを活用した新しい高分子合成の提案とその材料創製への展開を行っています。
提供できる技術 ・応用分野

高分子合成，各種リビング重合，高分子反応による材料合成
主要な所属学会

高分子学会，アメリカ化学会
論文
  • Computer-Aided Design of Postpolymerization Modification Reaction Based on Aminolysis of α,α-Difluoroacetate Esters. Macromolecules 2021, 54 (1), 364-372
  • Optimization of the Petasis Three-Component Reaction as a Feasible Elementary Reaction in Polymer Chemistry. Macromol. Chem. Phys. 2021, 222 (2), 2000347
  • Multicomponent-Reaction-Ready Biomass-Sourced Organic Hybrids Fabricated via the Surface Immobilization of Polymers with Lignin-Based Compounds. ACS Sustainable Chem. Eng. 2019, 7 (8), 7795-7803
最終更新日：