LSIの開発プログラム
LSIの中の信号シミュレーション

コンピュータで行われる複雑な計算は、基本的な計算をものすごい速さで大量にこなすことで実現しています。例えば掛け算は、コンピュータの中でも人間が紙と鉛筆で掛け算をするときのように、複数の数値を加算することで計算しています。この掛け算を早く行うために、一回の加算にかかる時間を短くする方法や、加算の個数を減らす方法、一度に複数の加算を同時に行う方法など色々な方法が考えられています。もっと複雑な計算であれば、計算の順序を変えたり、予め結果が分かっている部分的な計算は先に計算してしまったり、数値を分割して並列に計算し、最後に結合して答えを出したりなど、色々な工夫が考えられます。そのような基本的な計算を速く行えるようになると、計算全体も速く行えます。我々の研究室では、計算を効率よく行うための手法(算術演算アルゴリズム)の研究や、それを計算する回路(プロセッサ)の設計、評価などを行っています。コンピュータがちょっとの工夫で賢くなると、今まで以上に出来ることが増えるのはもちろん、早く計算を終わらせ、空いた時間は電気を使わないようにすれば、省エネにもつながります。物理的、化学的な進歩の他に、「工夫」という角度から、コンピュータの進化を支える研究を行っています。

研究室についてSTUDENT
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ゼミでの発表
准教授 田中 勇樹 TANAKA yuki
研究キーワード 算術演算回路,グラフ理論,IoTデバイス開発
研究分野 情報科学情報工学
主な研究テーマ
  • 高速算術演算回路の論理設計に関する研究
研究概要

コンピュータの基本機能である「数値計算」に用いる算術演算回路の高速化,省面積化について,算術演算アルゴリズムの観点から研究を行っている。
算術演算の高速化は,画像処理や暗号化の分野で広く求められており,そのような算術演算に特化したプロセッサは,汎用プロセッサを用いてソフトウェアで実行するよりも高速であったり,低消費電力であったりと,様々な利点がある。
そのような演算のための回路構造を,論理演算レベルから研究,設計している。

提供できる技術 ・応用分野

FPGAを用いた高速算術演算回路や専用LSIの開発

主要な所属学会

電子情報通信学会, 情報処理学会,日本機械学会

論文
  • Novel Binary Signed-Digit Addition Algorithm for FPGA Implementation, Journal of Circuits, Systems and Computers, Vol. 29, No. 09, 2050136, 2020.
  • Efficient signed-digit-to-canonical-signed-digit recoding circuits, Microelectronics Journal, Volume 57, pp.21-25, 2016.
  • On the stack number and the queue number of the Bubble-sort graph, IEICE Trans. Fundamentals, Vol.E99-A, No.6, pp.1012-1018, 2016.
最終更新日: