
現代の高度情報化時代は、数多くの半導体電子デバイスによって成り立っています。私たちの研究室では、半導体の基礎電子物性、特に光学的物性を調べる研究を行っています。
1.新規多元化合物半導体に関する研究
現在、太陽電池の材料としてはシリコンが広く使用されていますが、シリコンは光吸収係数が小さいために、太陽光を効率よく吸収することができません。この問題を解決するために、シリコン半導体よりも効率よく太陽光を吸収することができる新しい半導体を探求しています。特に元素の種類が3つ以上の新規多元化合物の半導体を作製し、その基礎的な光学物性を調べています。
2.ガス輸送気相成長法を使用した半導体ナノ結晶の育成
結晶の自己組織化を利用した、ガス輸送気相成長法による半導体ナノ結晶の育成を行っています。ガス輸送気相成長法は、大変簡便に半導体ナノ結晶を得ることができるため、近年特に注目を集めています。また、微小な半導体ナノ結晶においては発光効率を上げることができるため、次世代のオプトエレクトロニクス素子の基礎要素として期待されています。

研究キーワード | 半導体光物性,カルコパイライト構造半導体,多元化合物半導体,ナノ結晶,分光測定,バンド計算 |
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研究分野 | 電気電子工学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 化合物半導体の光物性に関する研究を行っています。具体的には,第一に,カルコパイライト系多元化合物半導体(I-III-VI2族,II-III2-VI4族,I2-II-IV-VI4族)結晶の育成とその電子エネルギーバンド構造の評価です。従来にはない新しい半導体を作製し,新規電子物性の探求を行っています。これらの半導体は,太陽電池光吸収層材料への応用を期待しています。第二に,ガス輸送気相成長法による酸化物およびII-VI族化合物半導体のナノ結晶の育成と光学物性評価です。従来にない簡便な方法で,ボトムアップによるナノメートルオーダーサイズの結晶の育成を行っています。これらの半導体は,短波長高効率発光素子への応用が期待されます。実験は,近赤外~紫外波長における分光測定,特に,光吸収,フォトルミネッセンス,変調分光(電界変調,温度変調)測定を主に行っています。また,半導体の電子エネルギーバンド構造の計算(理論計算)も行っています。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 近赤外~紫外波長における分光測定技術,特に,光吸収測定,フォトルミネッセンス測定,変調分光(電界変調,温度変調)測定。半導体の電子エネルギーバンド構造の計算(理論計算) |
主要な所属学会 | 応用物理学会 |
論文 |
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