振動実験の様子

振動は,動く機械の全てに発生します.最近,省エネ型,つまり軽量かつ高い剛性が機械に求められ,振動・騒音の低減がより求められています.とくに小型軽量化が進んだ機械では,複雑な振動現象(非線形振動・カオス振動)が生じます.複雑な振動を機械の設計段階で予測し機械に目的どおりの動きを実現するための解析技術の確立と,その実験による検証を行っています.複雑な現象を丁寧にモデル化し,実験とよく一致する解析結果が得られた時の達成感は格別です.さらに,当研究室では,その振動解析技術を活かして,振動の積極利用による新しい機械の開発を目指しています. 振動というと,世の中では迷惑なものと思われがちですが,目的どおりの音を発生させたり,簡単な仕組みで往復運動を発生させるために振動を用いることができます.目的どおりの運動や振動をデザイン(設計)し,世の中の役に立つ機械づくりに貢献することを目指しています.

教授 丸山 真一 MARUYAMA shinichi
研究キーワード 機械振動,非線形振動,連続体の振動,機械力学,流体関連振動,電磁力関連振動
研究分野 機械力学ロボティクス
主な研究テーマ
  • 薄肉弾性構造要素の非線形・カオス振動解析手法の高度化と実験検証
  • 振動を利活用した機械の開発と動的挙動シミュレーション手法の確立
  • 振動の抑制・低減のための振動発生メカニズムの解明
研究概要

機械システムに生じる振動と動的安定問題の理論解析,実験ならびに計測を行っている。とくに,はり,アーチ,板,シェルなどの薄肉連続体要素の大振幅振動に生じる非線形振動,カオス振動の解析ならびに実験が主要な研究テーマである。そこでの知見を基にして,応用上問題となる微小機械要素や柔軟部材の大変形,複雑振動問題の解決や振動利用について,共同研究にも携わっている。さらに,連続弾性体の振動,波動と,電磁場および流れ場との連成現象にも興味を持っている。

提供できる技術 ・応用分野

機械構造の振動対策,振動利用のための,振動計測・分析と理論解析,電磁力関連振動,動的設計

主要な所属学会

日本機械学会,日本ばね学会,計測自動制御学会,日本マリンエンジニアリング学会

論文
  • Experiments on Nonlinear Vibrations of a Combined Structure with Segments of Beams and a Disc Subjected to Axial Tensile Force , International Journal of Dynamics and Control, 3, 148-156, 2015.
  • Chaotic Vibrations of a Post-Buckled L-Shaped Beam with an Axial Constraint, Nonlinear Dynamics, 67-4, 2263-2379, 2012.
  • Experiments on Chaotic Vibrations of a Post-buckled Cantilevered Beam Connected by a String to an Axial Spring, Journal of Vibration and Control, 18-2, 163-174, 2012.
受賞歴
  • 計測自動制御学会 The SICE Annual Conference 2020 感謝状
  • 日本機械学会96期機械力学・計測制御部門一般表彰(部門貢献表彰)
  • 日本機械学会関東支部群馬ブロック 貢献賞
  • 日本機械学会86期機械力学・計測制御部門一般表彰(部門貢献表彰)
  • 日本機械学会 機械力学、計測制御部門 2001年度部門一般表彰 オーディエンス賞
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