異種液滴の水面への衝突挙動

液体があるところには,多くの場合「気泡」が存在しています.しかし,多くの人は気泡が身近で見られることに気が付いていません.例えば,水滴が水面に衝突したさいに「ピチョン」と発せられる音や,海の波音に気泡が関係することはあまり知られていません.
気泡は形や大きさが様々に変化し,場合によっては分裂や合体が生じる非常に複雑な運動を行います.これらの運動には,力の釣り合い,相変化,熱の伝わりなど,多くの物理現象が関係しています.
私は,気泡の膨張・収縮運動,気泡の混入現象,気泡を含む流れなどを研究しています.小さな気泡にも使い方によっては役立つ大きな「力」を持っています.気泡の運動を理解し,役立てる技術は,液体がある工業,医療,自然科学など多くの分野での利用が期待できます.
他にも熱移動(伝熱と言う)を研究しています.温度は高い方から低い方へ伝わります.この伝わり方と良くすれば「放熱」が良くなり,悪くすれば「断熱」となります.熱の伝わり方をコントロールすることは,私達の暮らしを豊かにする技術を生み出すことにつながります.
このように気泡の運動や熱移動を初めとした,「熱流体」の輸送現象を解き明かすことを目指しています.

准教授 川島 久宜 KAWASHIMA hisanobu
研究キーワード 気泡力学,熱・物質輸送,キャビテーション,可視化計測,混相流,伝熱工学
研究分野 流体工学船舶海洋工学
主な研究テーマ
  • 画像計測を用いた流れの可視化に関する研究
  • 気液二相流,キャビテーションに関する研究
  • 熱移動,物質移動に関する研究
研究概要

液体中に気泡が存在する系(混相流)を対象に,実験,数値シミュレーションを行っている。特に気泡周囲の圧力が変化した場合に見られるキャビテーションを研究している。また,液滴や鋼球の液面衝突に関する実験などの素過程やモデル実験を行っている。その他,自然対流,強制対流などの熱移動を含む現象について熱と流体の相互干渉に関する研究を実施している。

提供できる技術 ・応用分野
  • 可視化計測
  • 気液二相流,高速現象,伝熱工学など
  • 熱と流体の相互干渉
主要な所属学会

日本機械学会,日本マリンエンジニアリング学会,可視化情報学会

論文
  • 単一液滴の液面衝突時に混入する気泡の可視化,可視化情報学会,36(5):24-31,(2016)
  • Bubble entrainment behavior during drop impingement onto liquid surface, Proceeding of 9th Int. Conf. on Multiphase Flow, Paper No. 107.
  • Improvement of heat transfer from multi arranged electro-chemical capacitor, Proceeding of the First Pacific Rim Thermal Eng. Conf., Paper No. PRTEC14663, (2016).
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