
2050年のカーボンニュートラル達成(脱炭素社会の実現)に向け、世界中で様々な研究が行われています。電動化の進む自動車では、燃費(電費)の向上のために車体の軽量化が検討され、アルミニウムなどの軽金属や樹脂材料の適用が進んでいます。また、エアコンや冷蔵庫などの家電製品から、自動車、鉄道車両、ロボット、太陽光や風力などの自然エネルギー発電にて、電力の供給・制御を担うパワー半導体は、脱炭素社会の実現に向けた切り札となっています。さらに、生成AIの登場により、AIの処理に特化したAI半導体の低消費電力化も課題となっています。それら最新製品には、金属、高分子、セラミックスおよびそれらの複合材料など、様々な優れた革新的材料を一つの製品の中で適材適所に使用するマルチマテリアル化が進んでいます。我々は、革新的材料の開発およびそれら異種材料を接続する技術の開発を行っています。医師が人の体を診るように、我々は各種先進分析機器を用いて、材料内部のナノ・ミクロな組織を観察して、研究開発を行っています。写真は、先端半導体の検査を行うピン(Pd-Cu-Ni合金)と半導体の接合用Snとの界面反応を観察したものです。半導体の検査を繰り返す間に、写真のようなミルフィーユ状の組織が生成されると検査ができなくなります。界面には複数の新たな合金が層状に形成されています。この形成メカニズムを解明することで、新たなピン材料の開発が進められます。



研究キーワード | 異相界面科学,電子実装材料,マイクロ接合,鉛フリーはんだ,表面処理,金属の腐食,マルチマテリアル |
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研究分野 | 生産工学電気電子工学材料工学ナノマイクロ科学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 本研究室では,電子電気機器を対象としたマイクロ接合および電子実装材料,コジェネレーションシステム等に応用される熱交換機のろう付け,車載用マルチマテリアル化技術,金属材料の表面硬化や腐食などを主な研究テーマとしている。いずれのテーマも,金属組織学および界面科学的アプローチにより,材料のミクロ組織および各種界面と機械的特性との関連性を調査し,新規開発材料の機械的特性および信頼性の向上を目指している。 |
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提供できる技術 ・応用分野 |
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主要な所属学会 | 日本金属学会,スマートプロセス学会,エレクトロニクス実装学会,表面技術協会,溶接学会 |
論文 |
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