
化学合成した核酸(siRNA)が細胞内でmRNAに結合して特定のたんぱく質の合成を止める仕組み
最近、分子標的薬という医薬品が使われています。これは、病気の原因となる分子だけを攻撃し、副作用を少なくした医薬品です。その中に核酸医薬があります。これは核酸(DNAやRNA)でできた薬です。幾つかの働き方がありますが、その内のひとつは、病気の原因となる遺伝子の働きを抑えて作用するものです。核酸医薬は、次世代の医薬品と言われており、まだ開発中のものが多いのが現状です。核酸を薬として利用するためには少し工夫が必要なので、その研究が世界中で行われています。例えば血液中に入れたときに核酸はすぐに壊れてしまいます。また、細胞の中で働くためには、そこまで誘導するような工夫も必要です。これらを解決するために、化学の力で核酸を改造しています。さらに化学の力でもっと良く働く分子に改造することも可能です。研究室では、医療に貢献できる核酸の改造に関わる技術の開発をしています。これまでに合成した核酸(修飾核酸)が細胞内でmRNAを分解して特定のタンパク質の合成を抑制することを見つけています。このような研究が活発に行われ、医療に役立つことを願っています。
研究室についてSTUDENT

実験風景
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UVスペクトルと蛍光スペクトルを測定する装置
教授
尾崎 広明
OZAKI hiroaki
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研究キーワード | 修飾核酸、DNA、蛍光標識化、蛍光プローブ、核酸化学合成 |
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研究分野 | 生体分子化学 |
主な研究テーマ |
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研究概要 | 機能性核酸として、蛍光標識化したDNAの化学合成とそれを用いたバイオセンサーの開発を行っている。蛍光標識化DNAプローブは、DNA本来の相補鎖認識能を利用した特定遺伝子の検出に応用できる。また,特定の核酸に結合し、機能する分子の開発を行っている。 |
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提供できる技術 ・応用分野 | 修飾核酸の物性評価、核酸の蛍光標識化、修飾核酸の化学合成 |
主要な所属学会 | 日本化学会、米国化学会、日本ケミカルバイオロジー学会 |
論文 |
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最終更新日: